活動報告
秀峰会活動報告
福島県 飯舘村「特別養護老人ホーム いいたてホーム」訪問
10月22日に福島県相馬郡の飯舘村そして「特別養護老人ホームいいたてホーム」を訪問しました。
飯舘村の菅野村長からは10数年来私たち秀峰会に対してご縁を頂いており、また「いいたて福祉会」とはおなじ理念共有している仲間でもあります。
今回の訪問は、菅野村長といいたてホームの三瓶施設長から現状を伺うこと、そして8月から実施しているケアワーカー派遣の現状を確認することが目的です。
現地の状況についてはこれまでもニュース等の情報に接することがありましたが、菅野村長と三瓶施設長から直接伺うと、その厳しさに胸を締め付けられる様な思いがありました。
飯舘村の現状が、原発事故直後の風の向きによるものだと言う様に物理的に説明がつくことには誰しも容易に理解出来ますが、より根源的に「なぜ飯舘村が…」という疑問に答えることは不可能な事だと思います。このような中で菅野村長も三瓶施設長も休む間もなく飯舘村のため、「いいたてホーム」のために闘って来られた事を強く感じました。
原発事故に振り回された幾つかの特養ホームの苦悩が描かれている『避難弱者(東洋経済新報社)』という本を三瓶施設長より頂きました。本の中には「いいたてホーム」の皆さんが直面した現実が描かれています。これらを乗り越え、今なお続く厳しい状況にも関わらず日常の生活を保っている「いいたてホーム」の皆さんのご苦労は、同じ国に住む人間として常に心に留めておくべきことだと改めて強く感じます。
このような状況下で当法人から派遣させて頂いている職員の早瀬さんの元気な顔を見られたことは嬉しいことでした。そして既に8月と9月にその役目を終え、施設に戻ってきている宮崎さんや大高さんの表情からは、一様にやるべきことをやり切った充足感の様なものを感じられました。おそらくは誰かの役に立てる事こそがその人に大きな力を与えてくれるのだろうと思います。
職員の派遣は11月末で一旦休止となります。冬期の飯舘村の環境が首都圏に住む私たちには厳しすぎるだろうという三瓶施設長のご配慮です。人を思い遣る心の無限さに驚嘆しつつありがたく受け止め来年4月の再派遣に備えます。
理事長 櫻井 大